【リヴァイ】Calmi Cuori Appassionati
第3章 Seize the Light
まずは目を裂いてから、うなじを削ぎ落とすんだ。
深呼吸を一つし、覚悟を決める。
そして剣を握り直し、天を仰いでいる巨人の顔に飛び降りた。
左目から右目に向かって切りつける。
熱湯のような血が吹き出して、サクラの頬にべっとりと付いた。
「縦1メートル、横10センチ・・・」
もう一度立体機動で飛び上がり、今度はうなじに向かって切りつけた。
「おォォ・・・おァお・・・!」
しかし、十分に肉を削ぎ音せなかったため、巨人は息絶えることなく呻き声を上げながらもがく。
その右手が立体機動の右のワイヤーに絡まり、サクラは木に思いっきり叩きつけられた。
キィィンと酷い耳鳴りがし、脳が震える。
やばい、意識が遠のきそうだ。
こんな地面にへたり込んでいたら、餌食になってしまう。
「立て・・・」
まだ目が回復していないのか、巨人は手探りでサクラを探していた。
大丈夫、ワイヤーはほどけている。
あとはこの脳震盪が治まれば・・・
治まれ!!
何とか立ち上がるも、足元がふらつく。
そんなサクラより巨人の方が回復が早かった。
こちらを見て醜悪な笑みを浮かべながらやってくる。
手を伸ばされたら、避けれそうにない・・・
ここまでか・・・?
すると、意識の向こうから声が聞こえてきた。
“絶対、僕らにつないでね。サクラの手で、直接だよ”
アル・・・ミン・・・?
ミカサ・・・
“サクラのこと信じてるからな”
エレン・・・!
「ちくしょう・・・」
約束したんだ。
“本当・・・死なないでよ、サクラ”
ロゼと、そう約束した。
それにまだハンジ分隊長が言っていた“希望”を見つけてない!