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【リヴァイ】Calmi Cuori Appassionati

第3章 Seize the Light



サクラは咄嗟に立体機動装置を使い、木の高い場所へと飛び上がった。
シェリーは100メートルほど駆け抜けた先で立ち止まり、こちらを振り向く。

息をつく暇などなかった。


ドォン!!

ドォン!!


大砲の鳴る音が幾つも響き、巨人の恐ろしい呻き声が森を震わせた。


「はぁっ・・・はぁっ・・・・・・」

息が・・・整わない。
これは・・・恐怖か・・・?

背中を幹に押し付け、枝に座り込む。

ほんの数十メートル向こうで巨人がのたうち回っているのが見えた。
四肢をワイヤーで固定され、体全体を捕獲網で覆われている。

ハンジの歓喜する声が聞こえてきた。


「良かった・・・成功した」


それから15分くらいたっただろうか、緑の信煙弾が北に向かって放たれた。

帰還の合図だ。
陣形を整えるために戻らなければ。

ハンジ分隊長、どれだけ興奮しているだろうか。
それとも、喜ぶには被害が大きすぎただろうか。

サクラは地上に降りて、シェリーの姿を探した。

しかし、どこにもいない。
おかしい。
さっきまでそこにいたのに。

「シェリー!」

口笛で呼んでも返事がない。
奥に行ってしまったのだろうか。

仕方なく、辺りを走ってシェリーを探す。

すると、小さな泉の所に見慣れた茶色の毛並みが見えた。
喉が渇いていたのだろう、口を付けて飲んでいる。

「なんだ、ここに・・・」

言いかけた瞬間、恐ろしいものと目が合ってしまった。
木で見えなかったが、シェリーのすぐ隣に6メートル級の巨人が腰を低くしながらこちらを見ている。

「ひっ!」

巨人はサクラの姿を見ると、まるで条件反射のようにシェリーの頭上から手を伸ばしてきた。
なんとかぎりぎりの所でかわし、木の上に逃げるとこちらを見て唸りながら爪を立てている。

しかし、このまま待っていても諦めてくれるわけがない。
ハンジ達に知らせるか?
いや、捕獲した巨人を抱えているんだ、混乱となって万が一でも逃がしてしまったら・・・

犠牲が台無しになる。

一人だけど・・・殺るしかない!
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