【リヴァイ】Calmi Cuori Appassionati
第3章 Seize the Light
シェリーの蹄が地面を蹴り上げる音が響く。
なんて勇敢なのだろう。
すぐ後ろに巨人が追いかけてきているというのに。
こうしてはいられない。
まずは現在位置を確かめなければ・・・
「太陽に対して、三角の山が18度・・・」
だいぶ西に流されているが、この地形には心当たりがある。
あれだけ頭に叩き込んだんだ。
精神状態が多少不安定でも容易に思い出すことができる。
まずは、ハンジに作戦が続いていることを伝えなければ。
サクラは信煙弾を打ち上げた。
“今にも希望の灯火が消えようとしているんだ”
ハンジの言葉を思い出す。
青い煙弾が空高く昇っていく・・・
「これは・・・人類の反撃の狼煙だ」
“私達は巨人の生態調査をしなければいけない”
「了解です、ハンジ分隊長!」
応答の煙が、森から上がった。
よし、まだ巨人はついてきている。
他に人間の姿は見えないから、このまま行けば自分だけを追いかけてくるだろう。
森の入り口が見えてきた。
高さ35メートルほどの針葉樹がびっしりと生えている。
馬車がやっと一台通れるくらいの幅の道が、中へと続いている事に気がついた。
「あそこだ・・・!」
大丈夫、このサイズの巨人なら通れる!
ここから中へ1キロ行った所だ。
「ッ・・・!」
尖った葉が頬を切りつけた。
でも、止まってなどいられない。
もう、すぐそこのはず・・・!
巨人の足音がまだ聞こえる。
ついてきているんだ・・・
そう思った瞬間。
ピィー!!!
口笛・・・?
対特定目標拘束兵器の発動合図だ!!