• テキストサイズ

【リヴァイ】Calmi Cuori Appassionati

第13章 Forget Me Not ※




ふいにリヴァイが、サクラの背中の向こうへ手を伸ばした。
そこには、小さな青い花が一輪咲いていた。

それはお兄ちゃんの墓の前と、ルドルフが息絶えた場所にも咲いていた花。

「勿忘草ですね・・・」

「ずっと気になってた・・・この花の意味は?」

サクラはゆっくりと瞬きをすると、その花を摘んだリヴァイに微笑みかける。


「 “私を忘れないで” 」


すると、リヴァイは手に取った勿忘草をサクラの髪に挿した。


「忘れるな、サクラ。お前がこの先また耐えられねぇような現実に直面し、正気を失っても・・・」

サクラの右手を握り、そっと誓いを捧げるように自分の心臓に持っていく。


「俺が必ず、お前を闇から救い出してやる。何度でもな・・・」


だから、どんなに我を失っても忘れないで欲しい。
この俺がそばにいるということを。


「ありがとうございます・・・リヴァイ兵長」


青い可憐な花とともに微笑むサクラは、もう狂気の欠片すら無かった。

もしかしたら、また闇に飲み込まれるかもしれない。
でもきっとその時は思い出すでしょう。

私が兵士として背負うべき、意志。

そして・・・

リヴァイ兵長、貴方のことを。


リヴァイとサクラは唇を寄せ合い、抱き合った。

今度は互いの愛情を求めるために、優しく、優しく。


そんな二人の周りを、無数の勿忘草が囲んでいた。








第13章 『 Forget Me Not 』 Fin.








/ 781ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp