【リヴァイ】Calmi Cuori Appassionati
第13章 Forget Me Not ※
リン・・・と鈴の音が鳴った。
そして、懐かしいお兄ちゃんの声を思い出す。
“ サクラはもう、本当にお嫁さんになるべき人と出会ったよ? ”
本当にそうだったとしたら・・・
目の前にいるこの人と、前にどこかで会ったことがあれば良かったのに・・・
誰かと結ばれる運命にあるのなら、この人しか考えられない。
「リヴァイ兵長・・・」
名を呼ぶと、リヴァイはサクラに優しく口付けた。
「サクラ・・・兵士である以上、この先もたくさんの死を目の当たりにするだろう。だがお前は、それを背負って生きていかなきゃならねぇ」
金色の髪をした若い新兵を思う。
「なぜなら、そいつらが残した意志を継がなければ・・・そいつらの死が本当の意味で無駄になっちまうからだ」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
ルドルフは最後になんて言っていた・・・?
“ ・・・サクラ・・・さん・・・俺を忘れないでください・・・ ”
そうだ。
私は彼を忘れてはいけない。
彼の残した意志と共に生き、この身が果てるまで戦わなければ。
それがルドルフにしてあげられる、私の最大にして唯一の償い。