【リヴァイ】Calmi Cuori Appassionati
第13章 Forget Me Not ※
「でも・・・私は自分を許せない・・・ペンダントさえつけて行かなければ・・・」
「それは違うよ、サクラ。いずれはこうなる運命だった。そのキッカケが、たまたまペンダントだったというだけだ」
「でも・・・でも・・・」
涙が堰を切ったように溢れる。
「それでもっ・・・私はお兄ちゃんに死んで欲しくなかった・・・!」
たとえ、そうなる運命だったとしても・・・
「自分が憎いよ・・・殺しちゃいたいくらい・・・」
「分かってる・・・分かっているよ。私達の可愛いサクラ」
父は私の手からナイフを取ると、強く抱きしめた。
そして母も横から抱きしめてくる。
「サクラ・・・貴方は優しい子・・・」
母は泣きながらそう言い、私の髪を優しく撫でた。
「本当に優しいからこそ、自分が許せないのね」
「ああ、君の言う通りだ。そして、私達の大切な宝物だよ」
父は苦しそうに私を見つめた。
「サクラ・・・お前は危うい・・・」
普段は母のように何に対しても愛情を注ぎ、怒りや憎しみを露わにしない。
しかし、自分自身に対してのみ、許しの心を持たない。
「お父さんとお母さんは、お前を心から愛している。お前という光を失ったら、私達は闇に閉ざされたまま生きていくことになるだろう」
「お父さん・・・お母さん・・・」
私を抱きしめる、二人の腕に力が込められた。
とてもキツくて、とても温かい。
「私達が命にかえても、サクラの中に潜む影を抑え込もう」
すると、どこからかリン・・・と鈴の音がした。