【リヴァイ】Calmi Cuori Appassionati
第3章 Seize the Light
こんな状況を打破できる人間がいるとすれば、
それはこの世界で、ただ一人・・・・・・
サクラが死を意識した、その瞬間。
鋭い閃光が現れたかと思うと、竜巻のような強い風が厚い砂埃の層を一瞬にして消し去った。
何が起きたのかわからない。
しかし、こんなことができるのは・・・・・・
「ぐずぐずしてんじゃねぇ、ガキ」
「・・・リヴァイ兵長・・・・・・!!」
そう・・・
人類最強の兵士、この人だけ・・・!
リヴァイは馬を走らせながら辺りを見渡し、状況を把握しようとした。
「・・・右に3体・・・左に奇行種含む4体、そしてこのガキのケツを追いかけているのが1体・・か」
眉一つ動かさずに、巨人の数を数える。
そして、サクラをちらりと見た。
「おい・・・お前の後にくっついている巨人だけを生かしておけばいいんだな?」
「はい」
「後は俺達がやる。お前はハンジの所へさっさと行け」
少し遅れて、リヴァイ班がやってきた。
「お前らは右。俺が左に行く」
「了解!」
今回の作戦において、遊撃部隊として索敵から援護まで幅広い仕事をこなすリヴァイ班。
この数の巨人を目の前にしても、士気が下がることはないというのか・・・?
「・・・どうした?」
それでも青ざめているサクラの様子に気がつき、リヴァイの眉間にシワが寄る。
「いえ・・・」
このペースで巨人に遭遇するのなら、シェリーは巨人の間を駆け抜けて無事に森へ辿り着く事ができるのだろうか。
もう随分と走らせているし、ストレスで息も上がっているようだ。
ぎゅっと、シェリーの手綱を握る手に力が入った。
「・・・そいつが信用できねぇのか?」
「え・・・?」
リヴァイは自分の馬を操って、サクラと並走する。
そして、熱のない視線を向けてきた。
「その馬のことなら、俺の方がよく知っている。そいつは負けない・・・主の、お前が諦めないかぎりはな」
私が・・・諦めないかぎり・・・?