【リヴァイ】Calmi Cuori Appassionati
第13章 Forget Me Not ※
「お嬢ちゃん」
突然、強い力で右手を掴まれる。
「ひっ!」
「怖がらなくていい、我々は憲兵だ」
見上げると、怖い顔をした数人の憲兵が私を睨んでいた。
「そのペンダントは誰にもらった?」
「え・・・?」
ボタンを外したせいで、銀貨は外に出てしまっていた。
「誰にもらったか言えないのなら、我々は君を連れていかなければならない」
怖い・・・!
お父さん、お母さん・・・お兄ちゃん!
その時だった。
「サクラ!」
戻ってきたお兄ちゃんが、憲兵と私の間に入るように立った。
「姪が何かをしたのでしょうか?」
「お前は・・・」
憲兵はお兄ちゃんを見るなり、表情を醜く歪める。
「調査兵団のブルーム・・・だな」
その瞬間、わずかにお兄ちゃんの顔が強張った。
「ブルームと、その姪か。おい、連行しろ」
「待ってください、我々がいったい何をしたと言うのですか!」
「喚くな。この人混みで騒ぎになるのは面倒だ」
憲兵は有無を言わさず、お兄ちゃんに手錠をはめた。
そして私は乱暴に抱きかかえられ、二人ともその場から連行された。
それまでがあっという間で、何が起こっていたのかわからなかった。