【リヴァイ】Calmi Cuori Appassionati
第13章 Forget Me Not ※
「サクラ!!」
ハンジの声が響いた。
ものすごい勢いで地面に叩きつけられ、体全体の骨が砕けたような衝撃が走る。
痛い。
意識が遠のいていく・・・
いったい何が・・・起こった・・・?
血を流すサクラの横で、青い勿忘草が咲いていた。
サクラがハンジと合流する直前。
索敵から漏れていた15メートル級の奇行種が突然現れ、花に気を取られていた一瞬の隙にサクラの体を蹴飛ばした。
「ぐ・・・」
痛さを通り越して、何も感じない。
朦朧とする中で、唯一分かったのは自分の体が巨人に掴み上げられていることだった。
・・・喰われる!
“ 死ぬんじゃねぇぞ ”
暗くなっていく視界の中で、黒い髪が揺れ、三白眼が光った。
ああ、私は大事な人を失望させてしまう・・・
自分を飲み込もうとする大きな口と、臭い息。
これが最期に見る光景なのか。
そんな事を思った瞬間だった。
突然、巨人の体が揺らぐ。
「てめぇ、殺す!」
サクラを掴んでいる指が切り落とされ、再び地面に打ち付けられる。
「ガアッ・・・!」
強い痛みが走った。
「サクラ!」
駆け寄ったハンジが、サクラを抱き起こした。
その頬が巨人の血で汚れている。
背後には、今まさに蒸発しようとしている死体があった。
そうか・・・傷が回復した12メートル級を倒したのか・・・
・・・では、私を突き飛ばした巨人は・・・?!
サクラが慌てて顔を上げると、信じられない光景が飛び込んできた。