【リヴァイ】Calmi Cuori Appassionati
第13章 Forget Me Not ※
エルヴィンは口角を上げると 、天を仰いだ。
強い太陽の光に、目を細める。
「ハンジをナメるなよ、リヴァイ」
「・・・・・・・・・」
なんか似たようなことを前にも言われたような気がする、とリヴァイは顔をしかめた。
「この世界で、“リヴァイ兵士長”を使いこなせるのは、俺とハンジ以外にはいない」
「あ? てめぇ、俺を物扱いするな」
「お前は“駒”だ。それも“最強”の駒だよ」
最強であるために、扱いが難しい。
エルヴィンは力で屈服させ、ハンジは誰よりも深く理解することで、駒を動かす。
そこまで非情な、
そこまで優しい方法でなければ、この男を制御することはできない。
だからこそ、サクラ・ブルームを見つけてきたハンジの功績は大きい。
俺が死んでも、ハンジが死んでも、代わりはいくらでもいるだろう。
しかし・・・リヴァイ、お前の代わりはいない。
自分達が死んでもサクラさえ生きていれば、リヴァイを動かすことは誰でもできる。
“ サクラを殺す ”
“ サクラを守る ”
どちらかの言葉を使えば、お前はどんな状況下でも動く。
リヴァイ、サクラを切り札にするとはそういうことだ。
お前は、人類の駒。
死ぬことも、逃げることも許されない。