【リヴァイ】Calmi Cuori Appassionati
第13章 Forget Me Not ※
リヴァイはその時、何を感じたのだろう。
しばらくエルヴィンを睨んでいたが、ふと目をそらして地面を見つめる。
そこには、薄青の小さな花が群生していた。
無意識のうちに、この花の名前は・・・花言葉はなんだろう、と思う。
「エルヴィン、てめぇは心底腹が立つ野郎だが・・・」
それでも、お前は俺に自由を与えてくれる。
ドブみてぇな壁内にとどまってたら、こんな花に気づくこともなかっただろう。
あの時・・・
文字通り泥水を飲まされながら、俺の運命は決まった。
“ 力を貸せ。調査兵団へ入団するのだ ”
“ 私と一緒に来るのか、それともここから逃げ帰るか・・・自分自身で決めろ”
調査兵となる選択肢を与えてくれた。
「せいぜい、“駒”の扱いを間違えねぇことだな」
エルヴィンは笑った。
その表情は自虐的にも見えた。
「・・・だが、地獄にまで付き合うつもりはねぇぞ。死ぬ時は一人で勝手に死ね」
「おや、お前が俺を殺すのではなかったのか?」
その言葉に、三白眼が冷たく光る。
「ああ・・・そうだった、悪かった」
殺したいほどの屈辱を味合わされたが、
同時に生き方を変えてくれた。
そのエルヴィンを深く信頼し、付き従うことを決めたリヴァイ。
無数の青い花が、そんな二人を中心とした調査兵団の行く末を彩るように咲いていた。