【リヴァイ】Calmi Cuori Appassionati
第13章 Forget Me Not ※
トロスト区前門から真っ直ぐ南へと突き進む。
目的は、巨人に破壊されたシガンシナ区の前門を埋め固めるための資材を運搬すること。
長距離索敵陣形を展開し、巨人との遭遇を避けながら目的地を目指す。
「エルヴィン」
司令塔部である次列中央で、リヴァイは団長に馬を寄せた。
「ハンジを後列に置いて良かったのか?」
するとエルヴィンはリヴァイに向かって含み笑いを見せた。
「お前が心配しているのはハンジのことか? それとも、ハンジと一緒にいる部下のことか?」
「・・・サクラのことを言いてぇのか? 別に、あいつのことは心配してない」
ハンジが一緒にいるからな。
少なくとも、 俺と一緒にいるよりは安全だろう。
リヴァイは眉をひそめた。
「お前、遠征の時は必ずクソメガネを傍らに置いてたじゃねぇか。それが今回に限っては何故、後ろに配置した?」
「珍しく詮索してくるじゃないか、リヴァイ」
「別に詮索してるわけじゃない」
ただ、気になっただけだ。
これまで大掛かりな壁外遠征では、巨人捕獲作戦をやらなかった。
大抵は小規模な壁外調査の時に行われ、トロスト区前門周辺の巨人を捕まえる程度。
しかし、今回は第二分隊を後方に配置し、本隊からは独立して生け捕りを試みる。
そのことに違和感がないわけではない。