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【リヴァイ】Calmi Cuori Appassionati

第12章 Ignite Me




だが、怒りはそれで収まらない。
ほぼ拷問ともいえる訓練を終えると、リヴァイはサクラの姿を探して兵舎中を廻った。


「サクラ」

友人と談話室でお茶を飲んでいたサクラは、突然のリヴァイの声に驚いた様子で振り返る。

「兵長!」

今日は部屋に行く約束をしていなかったから、会えないと思っていた。
でも、なぜ?

嬉しいながらも首を傾げたサクラを見て、リヴァイは忌々しそうに眉根を寄せる。

「兵長・・・?」

怒ってる・・・?

「ちょっと来い」
「え、あ・・・はい」

きつい剣幕をしているわけでないのに、リヴァイの背中には重苦しい空気が漂っている。
何かしたんだろうか・・・。
約束を破ってしまったのだろうか。
周囲の注目を浴びながら、サクラはリヴァイの後をついて談話室を後にした。


「・・・・・・・・・」
「あの、兵長・・・」

前を歩くリヴァイの足取りが速い。
居室に向かっているようではあるが、何も話してくれない。

すると、廊下の向こうからゲルガーがやってきた。

「お、リヴァイ! 今夜、飲みに行かねぇか?」
「・・・断る」

こんなやりとりはいつものことなのだろう。
ゲルガーは特に残念そうな顔もせず、“相変わらずつれねぇなぁ”と肩をすくめると、傍らにいるサクラに目を向けた。


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