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【リヴァイ】Calmi Cuori Appassionati

第3章 Seize the Light



西の空高くに、真紅の煙が昇った。


「右翼側初列索敵班だ!!」


誘導班の指揮を任されている、ベテランのハインツが叫んだ。

一瞬の間が空き、今度は前方から緑の信煙弾が登る。

「エルヴィン団長からだ・・・捕獲地点を目指せよとの合図だ!」


作戦、開始。


思っていたより早い遭遇だったが、ハンジは無事に捕獲地点に到着できるだろうか。
しかし、今は信じるしかない。

サクラを含めて3名で構成される誘導班は、速度を上げて陣形の前方寄りへ位置取る。

索敵班が遭遇した巨人は1体だけだったのだろうか。
それとも・・・

すると、今度は左翼後方から赤い信煙弾が昇った。

「ちっ、両側かよ」

ハインツが毒づいた。
複数の巨人を捕獲することは可能だ。
しかし、1体よりも遥かに誘導が難しくなる。

今度は最初に煙弾を上げた右翼側から黄色の煙が昇った。

「黄色・・・作戦遂行不能な痛手・・・?」

何が起きているというの?
奇行種か・・・?!

「ブルーム!余所見をするな!」

ハインツに怒鳴られる。

そうだ、自分の仕事は誘導。
方角を見失うと大変なことになる。

サクラは太陽の位置と、周囲の地形に集中した。


「伝達です!」

ほどなくして、右側から一人の兵士がやってきた。

「7メートル級を確認!こちらに向かわせています!ただ、4時の方角から10体強に突然襲われ戦闘中!援護を要請します!!」

左翼側へ伝達しに行かなければ・・・
サクラが手綱を引こうとした瞬間、ハインツがそれを止めた。

「ブルームはここに残れ!」

代わりに調査兵団に入って2年目の兵士を伝達に向かわせる。

「お前には誘導に専念させろと、ハンジ分隊長から命令を受けている!」
「り、了解!」

サクラが答えるよりも早く、捕獲ターゲットの巨人が陣列の中へ躍り出てきた。
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