【リヴァイ】Calmi Cuori Appassionati
第11章 Hiss And Kiss ※
「サクラ」
裸で寄り添いながらリヴァイの腕の中で微睡んでいると、不意に起こされる。
「お前、今日はこっち側で寝ろ」
場所を入れ替わるように言われ、首を傾げた。
「どうしてですか?」
「そっちは濡れてる。こっち側ならまだマシだからだ」
サクラが寝ている場所は、初めて絶頂を経験した弾みで漏らしたため、大きな染みができている。
「そ、そんな! 私のせいでこうなったんですから、私が濡れている方で寝ます!」
「お前のせいじゃねぇって言っただろうが。俺の気が変わらんうちに移れ」
「じ、じゃあ、今すぐ倉庫から新しいシーツを持ってきますっ!」
慌てて起き上がろうとしたら、腕を掴まれて抱きすくめられる。
「ちっ、面倒くせぇな。いいからこっちに来い」
「うわっ!」
強引に体の位置を入れ替え、乾いた方に寝かせられた。
そしてリヴァイが染みの上に横になる。
情けない上に、羞恥心で涙が出そうになった。
「・・・兵長・・・ごめんなさい・・・」
「あ? だから、謝ることじゃねぇって言っただろ」
「でも冷たいでしょう・・・? それに・・・汚いし・・・」
「冷たいのはそのうち慣れる。汚ぇのは・・・まあ、仕方ねぇ」
やっぱり兵士長をそんな不潔な場所で休ませるわけにはいかない。
「お願いです、私がそちらで寝ます」
「風邪を引いたらどうする。お前はそっちだ」
「でも!」
すると頭をコツンと叩かれる。
「お前、下級兵士のくせに上官の命令が聞けねぇのか?」
「・・・ずるいですよ。それを言われたら従うしかないではありませんか」
「その通りだ。お前は黙って俺の腕の中に収まっていりゃあいい」
威圧感たっぷりに言われたら、もうその通りにするしかない。
おとなしくなったサクラの頭をヨシヨシと撫でるリヴァイだったが、突然、眉間に思いっきりシワを寄せた。
「だが・・・この俺が誰かの小便の上で寝るなんぞ、本来は絶対にねぇことだからな」
他の奴の排泄物なんか、見たくも触りたくもねぇ。
考えただけでゾッとする。
お前だからしてやれるんだぞ、サクラ。
そこのところをちゃんと理解しとけ。