【リヴァイ】Calmi Cuori Appassionati
第11章 Hiss And Kiss ※
部屋に戻ると、髪を乾かし、バラの香油が入った小瓶を手に取った。
“バラの香りには男を興奮させる効果があるんだって”
友人がそう言いながら手渡してきたものだ。
首筋につけるといいというが・・・
指先に少しとってみると、思ったよりも強い香りがして慌てて拭き取った。
きっと、リヴァイ兵長はこういうのを好まないだろう。
それに、なんか下心丸出しなような気がして恥ずかしかった。
結局、いつも通りの姿でリヴァイの部屋をノックした。
「おう、入れ」
ドアを開けてくれたリヴァイは、上半身裸で目のやり場に困る。
いや、いつもの格好なのだが・・・
「どうした?」
戸口に突っ立ったままのサクラに、リヴァイは怪訝な顔をした。
「ごめんなさい、お邪魔します」
「・・・なんかお前、今日は変だぞ」
「そ、そうですか?」
「ああ、変だ」
リヴァイはベッドに座ると、サクラを静かに見上げた。
「あまり目を合わせようとしねぇし、側に居たいってわりには近寄ってこねぇし・・・」
「・・・・・・・・・・・・」
「エルヴィンには要らんお節介焼かれるハメになるしよ・・・」
「すいません・・・」
「別に責めちゃいねぇよ。だが・・・心配はしてる」
手招きをされて側に近寄ると、膝の上に座るよう促される。
すこし躊躇ったが言うとおりにすると、ギュッと抱きしめられた。
「後輩ができて、いろいろと無理してんじゃねぇのか?」
「え・・・?」
「お前のことだ、新兵みんな世話してやりたいって思ってんだろ」
「だ・・・第二分隊の子たちだけでも・・・」
「気持ちは分からねぇでもないが、無理はするな」
髪を撫でられ、頬にキスされる。
こんなに優しい愛情を示してくれる兵士長に不満を持っていたなんて・・・・・・
「心配をおかけしてすみませんでした、リヴァイ兵長」
視線を合わせて微笑むと、リヴァイは少し安心したように表情を緩めた。