【リヴァイ】Calmi Cuori Appassionati
第11章 Hiss And Kiss ※
夕食後、サクラは友人と浴場にいた。
調査兵団の兵舎では、下級兵士の部屋に風呂場はついていない。
男女各一つずつある浴場で、夜10時までに入浴を済ませるのが規則だった。
「ずいぶんと念入りに体を洗うんだね」
何度も体を石鹸で洗っている友人に、サクラは浴槽から声をかける。
すると、友人は少し恥ずかしそうに振り向いた。
「実は今晩・・・彼と会うことになっているの」
「彼・・・? へぇ、恋人がいたなんて知らなかったな」
「うん、だから綺麗にしておかないと」
「それって・・・もしかして、セックスするの?」
「当たり前でしょ。そのために会うんだもの」
そう・・・だよな。
恋人が夜に会うといったら、目的はそれしかない。
サクラもこれまでに何度かリヴァイの部屋に泊まったが、添い寝するまでにとどまっていた。
だいたいは自分が先に寝てしまうし、リヴァイも手を出すようなそぶりは見せない。
「私も好きな人がいるんだけど、その人はなかなかしてくれないんだよね」
「え?! サクラに彼氏ができた?! まさか、団長・・・?」
「違うよ! そんなわけないでしょ」
・・・兵士長だけど。
「もういい加減、私が団長を好きな設定をやめてほしい」
「わかった、わかった。その人とは一度もセックスしたことないの?」
「実は一度だけ・・・でも、それ以来はキスで止まっちゃうんだよね」
湯船に顔を沈めながら、リヴァイを思い出す。
どうして・・・手を出してくれないんだろう。
別に拒否をした覚えはないのに・・・