【リヴァイ】Calmi Cuori Appassionati
第11章 Hiss And Kiss ※
「そんなに嬉しいのか?」
「はい。嬉しいです」
「・・・そうか・・・」
顎を持ち上げられ、唇を塞がれた。
ほんのりと紅茶の甘い香りがする。
「兵長・・・」
もっと深く求めて欲しいのに・・・
リヴァイはサクラを抱いたまま、サイドテーブルに置いたティーカップに空いた手を伸ばした。
・・・私より、そっちの方が今はいいのですか・・・
「どうした」
「いえ・・・なんでもありません」
「・・・・・・・・・・・・」
自分の淹れた紅茶を飲んでくれて嬉しいはずなのに・・・
なんでこんな不安な気持ちになるんだろう。
「あの・・・リヴァイ兵長・・・」
「なんだ」
「私、ずっと兵長のお側に居たいです」
「・・・今も居るが?」
「そういう意味じゃなくて・・・」
求められないことが、こんな不安な気持ちになるなんて。
それとも、自分だけが先走っているのだろうか。
リヴァイ兵長は、もともとそのつもりが無かったのかもしれない。
「なら、今晩、俺の部屋に来るか?」
「いいんですか?」
「これまでもダメだと言った覚えは無いが・・・」
遠慮してあまり部屋に来ないのは、サクラの方ではないか。
喉まで出かけたその言葉を飲み込む。
じっと見つめられる事に恥ずかしくなったのか、サクラはリヴァイの胸に顔をうずめた。
ったく・・・せっかく二人きりになれているのだから、もっと顔を見せて欲しいんだが。
リヴァイはため息を吐きながら紅茶を喉に流し込んだ。