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【リヴァイ】Calmi Cuori Appassionati

第11章 Hiss And Kiss ※



最近、リヴァイの執務室に行く機会が多い。
そこなら二人きりになれるからだ。

「サクラさん、俺達もリヴァイ兵長の部屋へついて行ってもいいんですか?」

新兵達はソワソワしていた。
憧れのリヴァイは、勧誘式と入団式の時にその姿をチラリと見ただけ。
エルヴィンの後ろでつまらなそうに新兵達の顔を眺めていた。

「もちろん。きっと名前は知らなくても、貴方達の顔は覚えていると思う」
「え?! 本当ですか?」
「うん。入団式の時に団長と一緒に居たでしょ? 兵長はね、その時に調査兵団に入る新兵の顔を覚えているの」

初めての壁外遠征で新兵に危険が及ばないよう、それとなく立ち回るために。

「そうだったんですか・・・“足手まといになるような奴は巨人のクソにでもなってろ”と言っていたから、怖い人かと・・・」
「あはは!それ、私の時も言っていたよ。兵長は口が悪いだけで、本当はとても優しい人だから安心して」


話しているうちに、兵士長室についた。
ノックすると、“入れ”という声が中から聞こえる。

何でもない言葉なのに、胸が温かくなった。


「リヴァイ兵長、失礼します」

「サクラ」


書き物をしていたリヴァイは顔を上げ、サクラを見て表情を緩めた。
しかし、後ろに誰か居ることに気づくと、不満げに眉をひそめる。

「・・・なんだ、一人じゃねぇのか」

「すいません。団長から書類を預かりました」

「ちっ・・・エルヴィンの野郎、まだ仕事を増やす気か・・・」

もうずっとここで仕事をしているのだろう。
ペトラが大事にしているティーカップの底に、すっかりと乾いた紅茶がこびりついている。

「で、そこにいる新兵はなんだ?」

突然、冷たい三白眼を向けられ、新兵達は慌てて背筋を伸ばした。

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