【リヴァイ】Calmi Cuori Appassionati
第10章 Come To Me, My Love
ピチチチ・・・ピチチチ・・・・・・
小鳥のさえずりが聞こえ、サクラはゆっくりと目を開けた。
「ん・・・」
テーブルで寝てしまったせいか、背筋にビキンと鈍い痛みが走る。
次の瞬間、驚きでもう少しで叫びそうになってしまった。
「リ・・・リヴァイ兵長っ・・・」
向かい合わせに座っているリヴァイが、テーブルに突っ伏して寝ていた。
いつ帰ってきたのだろう?
それに・・・
「寝るんだったら、ベッドでお休みになれば良かったのに・・・」
風邪を引いてしまったら大変だ。
せめて何か掛けるものを・・・と思って体を起こした時だった。
パサリとサクラの肩からブランケットが床に落ちる。
自分には体が冷えないように掛けてくれていたのか。
さりげない優しさに、心臓がトクンと波打った。
音をたてないように立ち上がり、リヴァイの肩にブランケットを掛ける。
よっぽど疲れているのかスースーと寝息をたてている姿は、普段の粗暴で圧倒的な力を見せている兵士長からは想像がつかない。
「ゆっくりと休んでください、兵長」
私はずっとここにいますから。
その時、サクラの口から幼い頃に母親が歌ってくれた子守唄が零れ落ちた。
ラベンダーの美しい青
ラベンダーの瑞々しい緑
あなたが王様なら
わたしは女王になりましょう
誰がそう言ったの?
誰がそう決めたの?
それはわたしの心よ、美しい人
わたしの心がそう決めたの
ラベンダーの美しい青
ラベンダーの瑞々しい緑
あなたが王様なら
わたしは女王になりましょう
「だから・・・ずっとお側に居させてください・・・」
愛しています、リヴァイ兵長。
するとそれまで閉じていたリヴァイの瞼が、静かに開いた。