• テキストサイズ

【リヴァイ】Calmi Cuori Appassionati

第10章 Come To Me, My Love



花は、“ここで咲いていたい”と思った時、どんなに厳しい場所でも育つ。


リヴァイ兵長、貴方も植物から愛される人なのかもしれませんね。
一緒にいると安心する理由が少しわかりました。

私の母がそういう人でしたから・・・


“サクラ、花を上手に育てる秘訣はね、その花に愛されること。簡単でしょ”


四季折々の花にいつも囲まれていた母。
色とりどりの花びらの中で、いつも微笑んでいた。
自分も母のような、優しい女性になりたいと願っていたっけ。

だけど、今はそんな母とは似ても似つかない、巨人を殺すための訓練を積む日々。
虫も殺さなかった母と違い、何度も巨人の血肉でこの手を赤く染めている。

それでも幸せなのは、リヴァイがいてくれるから。


サクラは枕をそっと撫でた。
フワリと愛しい香りが鼻をくすぐる。


人間もきっと花と一緒。

この人のために咲いていたい、と思える人がいると、自分の涙を糧にしてでも咲き誇ろうとする。


「早く会いたい・・・」


サクラはテーブルのイスに座ると、頬杖をつきながらゼラニウムを見つめた。


“貴方がいて幸せ”

そんな言葉を持つ花。


それはゆっくりと、サクラを優しい夢の中へといざなった。



/ 781ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp