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【リヴァイ】Calmi Cuori Appassionati

第10章 Come To Me, My Love



ピカーッと隅々まで磨かれた部屋が、ものすごい勢いで目に飛び込んでくる。


「・・・これは・・・」


男の部屋だからって、ナメていた・・・
ここは天下の綺麗好き、リヴァイ兵長の自室だ。
チリひとつでも落ちているわけがない。

手垢がまったくない窓、
その横にあるベットのシーツはピシッと四隅が揃えられ、少しのシワもない。
床も鏡なのかと思うほど、ピカピカだ。

「女子の部屋よりもはるかに綺麗だ・・・」

ベッドと本棚の他には、小さなテーブルと2脚のイス。
部屋の隅にはホウキや雑巾、ハタキといったリヴァイ愛用の掃除道具がまとめられている。


サクラはとりあえず、ランプの灯りをつけた。

明るくなってみると、リヴァイの生活の片鱗がそこらじゅうに散りばめられていた。

洗濯したばかりなのか、クラバットが壁にかけてある。
洗面所には磨かれたカミソリが置いてあり、これで髭を剃っているのかもしれない。

女性よりも綺麗だが、ここはやはり男性の部屋だ。
兵士長の息遣いを感じる。


胸がドキドキする・・・


サクラはふと、ベッド脇のサイドボードに目を向けた。
その瞬間、驚きで思わず声が漏れた。


「うそ・・・あれからずっと大事にしてくれたんだ・・・」


そこにあったのは、いつだったかサクラがリヴァイに渡したゼラニウム。
枯れずに、今も可憐な花をつけている。

そばに歩み寄ってみると、土が湿っていた。
ちゃんと水をやって育てているということか。

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