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【リヴァイ】Calmi Cuori Appassionati

第9章 The Winds Blow For You ※





「リヴァイ・・・見つけたよ」


ハンジがそう呟いたのを、モブリットは聞き逃さなかった。


君を救うことができるかもしれない存在を見つけた。


サクラ・ブルーム・・・


彼女ならきっと、クソだという君の世界を美しい色で彩ることができるかもしれない。

憎悪と孤独しか知らない君に、優しさと温かさを教えることができるかもしれない。



「私達は待っているからね、サクラ。貴方が来るのを・・・」


ハンジは寄り添う少年と少女に向かってそう呟くと、調査兵団へと戻るために踵を返した。





この時、ハンジはまだ知らなかった。

サクラの腕の中で幸せそうに甘えるこの少年が

希望へと導く救世主となって、調査兵団に入団することを。
そして、唯一、ハンジの心をときめかせる男となることを。


「ごめんねエレン。待たせてしまって」


審議所の地下牢で、ハンジは少年と再会を果たす。


「でもやっとここから出られそうなんだ」


彼は両手を鎖で繋がれ、不安気な表情でハンジを見つめていた。

大好きだという子守唄をもう二度と聴くことができないこと・・・
そして、自分に待ち受けている運命を知らずに・・・



だが、それはまだ数年先の話。
ハンジの興味は緑色の瞳をした少年よりも、今はサクラ・ブルームという少女に注がれていた。





第9章 『 The Winds Blow For You 』 Fin.



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