【リヴァイ】Calmi Cuori Appassionati
第3章 Seize the Light
後日、壁外調査の件が正式に調査兵全員に発表された。
今回の作戦では、エルヴィン総指揮のもと主力部隊とリヴァイ班、そして各分隊の第二班から第五班までが参加する。
そして、サクラたち新兵はまず陣形の形を頭に叩き込むことを課された。
基本的にはエルヴィンの考案した長距離索敵陣形と変わらないが、前方にはエルヴィンとともにハンジら捕獲部隊がつく。そして、陣形中央後方にサクラら誘導班が控える。
説明を受けているうちに、サクラは気になることがあった。
これは・・・両翼の索敵班が必ず巨人に遭遇する陣形。
通常の巨人なら問題はないが、奇行種ならば交戦必須だ。
しかし、これ以上の陣形は無い。
ここが犠牲は当たり前の場所であることを、改めて認識した。
さらにサクラたち誘導班は、捕獲実行地点の正確な位置を完璧に覚えなければならなかった。
門を出てまっすぐ行けば巨人に遭遇するとは限らない。
陣形を崩されれば、思いもよらない位置から捕獲地点を目指さなければならないのだ。
周囲の地形を正確に頭に入れるのに、1週間を要した。
もし、誘導に失敗すれば作戦は中止となる。
捕獲する巨人を決めたら陣形内に入れて、必要あらば他の巨人と交戦しつつ前方を目指す。
ターゲットの巨人を殺さず、しかし殺されずに捕獲地点まで辿り着かなければならない。
私にできるのだろうか・・・?
“私はサクラに可能性を感じるよ”
不安になると、ハンジのあの言葉が奮いだたせてくれた。