【リヴァイ】Calmi Cuori Appassionati
第9章 The Winds Blow For You ※
「リヴァイ。私達は君を必要としているし、信じているよ」
「俺はお前を殺そうとしていたのにか。ま、エルヴィンもだが」
「何度も言わせないで欲しいなぁ。私もエルヴィンも、君に殺されるほど鈍間ではないよ」
ニッコリと笑うハンジ。
「リヴァイの世界を彩ってくれる存在を、私も一緒に探してあげよう。だから、約束して欲しい・・・」
「・・・・・・・・・・・・」
「もう二度と・・・自分も、相手も傷つけるようなセックスはしないで」
力無く垂れるリヴァイの手を握る。
今度は優しく、自分の温もりが伝わるように。
リヴァイも嫌がらず、ハンジの温かさを受け入れた。
「・・・俺に禁欲生活をしろってのか。ジジイじゃねぇんだぞ」
「違うよ、相手を殺すくらいなら自慰で我慢してってこと」
あっけらかんと言うハンジに、リヴァイの表情から険しさが消えていく。
「ちっ・・・つまんねぇな」
「じゃあ私が道具を作ってあげよう。リヴァイのアレの大きさに合わせてねっ」
「あ?」
いつもの明るく、どこまで本気なのか分からないハンジのノリに、リヴァイはほんの少し安堵した。
しかし、それも一瞬のこと。
「とりあえず勃起してよ、測るから」
そう言いながら、リヴァイのペニスをつまみ上げたハンジ。
なんか屈辱的な気分になって、リヴァイはボサボサ頭を思いっきり叩いた。
「いったぁ! いきなり何するんだよ!」
「それはこっちのセリフだ。いきなり触りやがって、気持ち悪い」
「気持ち悪いってあんまりな言い方じゃないか。隠そうとしてなかったから、触られても気にしないのかと」
「とにかく道具はいらねぇ。自分の手でじゅうぶんだ」
リヴァイはため息をついて立ち上がると、テーブルの上にたたんである洋服を手に取った。
「まったく・・・お前のせいで最後までデキなかったじゃねぇか」
「あ、そうか、お金払ってるんだもんね。普通にするなら、私は外で待っていようか?」
「もうそんな気は失せた。それに・・・」
娼婦が脱走を図らないよう、鉄格子が嵌められた窓から外を見る。
「ミケも待っていることだしな。ありゃ、そのうち変質者として憲兵に捕まるぞ」
「え、ミケが?」
先に帰っているはずなのに・・・
ハンジも身を乗り出して見ると、店の前でミケが腕を組みながら仁王立ちしていた。