【リヴァイ】Calmi Cuori Appassionati
第9章 The Winds Blow For You ※
すると、ロウソクの灯りの向こうに、裸で絡み合う男女の影が浮かび上がった。
暗さに慣れず、目をこらしてようやく見える体。
女の白い右脚がベッドからはみ出て、ダラリと下に落ちている。
股を割るように腰を沈めているのはリヴァイだった。
「・・・・・・・・・・・・」
突然の侵入者に驚く様子は見えない。
ハンジだということに気がついているのか?
「・・・リヴァイ・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・」
リヴァイは瞬きをひとつすると、ハンジから目を逸らして組み敷いている娼婦の方を見た。
そして、右手を細い首にあてがうと、ゆっくりと絞めていく。
「ガァ・・・」
真っ赤な口紅を引いた口元から、よだれが垂れ落ちた。
呼吸ができない苦痛で、床にずり落ちている足が痙攣している。
「リヴァイ! その子を殺す気?!」
ハンジはたまらず駆け寄ると、リヴァイの肩を掴んだ。
「・・・邪魔だ、ハンジ」
リヴァイの声は恐ろしいほど落ち着いていた。
ハンジがここにいるということに、疑問を抱いていないのか。
それとも、そんなことはどうでもいいのか。
「俺はこの女を買った。どうしようと俺の勝手だ」
「リヴァイが買ったのはこの子の体であって、命ではないでしょう!」
「同じことだろう。俺が満足するまでは好きなようにさせるのが、こいつの仕事だ」
「じゃあ、貴方は満足するの?!」
ハンジはベッドで裸のまま気を失っている娼婦を見た。
首筋には赤い痣がくっきりと残っている。
「この子を殺して、リヴァイは満足するの?」
「・・・・・・・・・・・・」
ギシリとベッドが音をたてた。
窓から差し込む月明かりがリヴァイを照らす。
均整の取れた見事な裸体だが、まるで血が通っていないのかと錯覚するほど白い。
そして、リヴァイは男根を隠そうともせず立ち上がると、ハンジに歩み寄った。