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【リヴァイ】Calmi Cuori Appassionati

第9章 The Winds Blow For You ※




847年。

リヴァイが調査兵団に入団してから、3年の月日が流れた。
その間にウォール・マリアの陥落、調査兵団12代団長キース・シャーディスの辞任など、様々な出来事があった。


「分隊長! ハンジ分隊長!」

「あれ、呼んだ?」

ハンジが振り返ると、モブリットは呆れ顔でため息を吐く。

「貴方はもう一個分隊の長なんですから、しっかりしてくださいよ」
「あはは、そうだったね。でも、まだ分隊長っていう肩書きに慣れなくてさ」

エルヴィンが13代団長となり、ハンジも第二分隊長となった。
そして、リヴァイはどの隊にも属さず、兵士長としてエルヴィンの直下に就いた。

「また作業場へ行くんですか?」
「そうだよ! また新しい捕獲方法のアイディアが浮かんでね。さっそく作ってみたいんだ」

ハンジはここ最近、巨人を生け捕りにする方法を考案するため躍起になっていた。
それは、前回の壁外遠征でこれまでの概念を覆すような事実を知ってしまったから。

目に見えているものと、実在するものの本質は違うのかもしれない。
巨人の生首を蹴っ飛ばした時、質量と重量がともなっていないことに気がついて、そう思った。

「まったく、分隊長なんてならなくても良かったのに」
一個分隊を率いて補給ルートを確保するよりも、巨人の生態を調べることに専念したい。
「分隊長、あの・・・後ろに・・・」
「あーあ、責任が増えたら、自由に動けなくなっちゃうじゃないか。エルヴィンも意地悪だよね」
「あの、だから、分隊長の後ろにその・・・」
「え? さっきからなに」
しきりにモブリットが袖を引くので、ハンジは後ろを振り返った。
そして、そこにいた人物の姿を見た瞬間、背筋がピンッと伸びる。

「だからお前には分隊長になってもらったんだが? 意地悪ですまんな」

「エ・・・エルヴィン! ・・・あ、違う、エルヴィン団長!」


そこには、エルヴィンとリヴァイが並んで立っていた。

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