【リヴァイ】Calmi Cuori Appassionati
第8章 Beneath A Gentle Shower ※
「この遠征は俺の我儘だ。お前達を巻き込むわけにはいかねぇ!」
「たとえ! これが貴方の単なる我儘だったとしても・・・」
いつもは穏やかなエルドが、厳しい瞳でリヴァイを見据える。
「貴方に“指名”された我々は、どこまでも貴方について行くのが“使命”です」
「・・・・・・・・・・・・」
「それがリヴァイ班だということを、どうかお忘れなく」
リヴァイはしばらくエルドを見つめていた。
この男だけでない。
これまで壁外で命を落としていったリヴァイ班の人間で、自分に恨み言を残して逝く者はいなかった。
今際の際に遺すのはいつも、自分の役に立てなくて済まないという謝罪の言葉。
どうしてそこまでして、こんな俺のために命を投げ出そうとしてくれる?
リヴァイは苦しそうに顔を歪めた。
「ちっ・・・ウマイこと言いやがって・・・座布団はやらねぇぞ」
「兵長・・・!」
「お前の好きにしろ、エルド。しかし、グンタや他の奴らはどうだかな」
すると、エルドの顔に笑みが浮かぶ。
「それは明日になれば分かりますよ」
どれだけ自分の班から大切にされているか、知らないのは本人ばかり。
残念ですが、班長が死ぬのを黙って見ていられるヤツなんか、リヴァイ班にはいませんよ。
翌日。
兵舎を出発するリヴァイの目の前に、遠征用の身支度を整えた兵士が並んでいた。
エルドとグンタ達、4人のリヴァイ班。
誰一人欠けることなく、そこにいた。
「言ったでしょう、リヴァイ兵長」
「エルド・・・」
「これが貴方に指名された、リヴァイ班ですよ」
力強く微笑む4人。
リヴァイとサクラを援護するため、危険な壁外へ行くことを厭わない。
その頼もしさに、リヴァイは一人一人の肩を叩き、心からの感謝の気持ちを表した。
おまけ 〜その2〜 おわり。