【リヴァイ】Calmi Cuori Appassionati
第8章 Beneath A Gentle Shower ※
「兵長! 壁の向こうへ何のために行くんですか?」
「・・・・・・・・・・・・」
エルドから目を逸らしたリヴァイに代わって、口を開いたのはハンジだった。
「お花を見に行くだけらしい。しかも明日!」
「・・・花? ・・・明日って・・・」
そ・・・そんな理由か・・・? しかもこんな急に・・・
巨人の手に陥落したウォール・マリアへと行くのか。
「も・・・もちろん、俺達も連れて行ってもらえるんですよね?」
「イヤ・・・今回は俺とサクラの二人だけで行く」
「何故?!」
「これはお前達に関係ないことだからだ」
その言葉に、エルドは悲しくなった。
リヴァイ班に配属されてから1年。
どんな時もリヴァイを信じ、尽くしてきたつもりだ。
なのに、自分達は信じてもらえていないのか。
「俺はリヴァイ班の人間です。班長のすることで、俺に関係ないことはありません」
リヴァイの眉間に深いシワが寄る。
怒りというより、戸惑っているように見えた。
「エルド、今回の壁外遠征において特別作戦班の人員構成は、リヴァイとサクラ・ブルームだけとなっている。君は含まれていない」
エルヴィンがやんわりとした声で助け舟を出してくれる。
しかし、エルドはキッとリヴァイを見つめたままだった。
「それは今回の遠征だけの話ですよね・・・?」
「・・・そうだ。この遠征が終われば、元の人員構成に戻す」
リヴァイの言葉に、エルドは少しだけ握り締めていた拳の力を緩める。
それならば・・・
「・・・エルヴィン団長、リヴァイ兵士長・・・エルド・ジンよりご提案があります」
「なんだ?」
エルヴィンが青い瞳をエルドに向けた。
「我々、リヴァイ班は今回の遠征に同行しない代わりに、援護部隊としてリヴァイ兵長とブルームを安全だと判断できる場所までお見送りいたします」
「エルド!」
初めてリヴァイが声を荒げた。