【リヴァイ】Calmi Cuori Appassionati
第8章 Beneath A Gentle Shower ※
「オイ・・・」
肩で息をしていたリヴァイが、急にサクラにハンカチを手渡した。
「早く拭け」
「え?」
「お前の手に出しちまったヤツだ。汚いだろ」
こんな状況でも、兵長は兵長らしい。
サクラは思わず笑いながら、言葉に甘えてハンカチで手を拭った。
「情けねぇな・・・二度目だから少しは長くイケると思ったんだが、お前の中にいるというだけで抑制きかなくなる」
「私はむしろ嬉しいです。それだけ気持ち良くなっていた、ってことですよね」
「ああ・・・それは間違いない」
リヴァイはサクラの髪をかきあげ、キスをした。
「・・・ありがとう、サクラ・・・」
この人と出会えて本当に良かった。
心の底からそう思う。
「それにしても・・・お前、いったい何してる?」
精液を拭いたハンカチに桜の花弁を包んでいるサクラを見て、リヴァイは怪訝な顔をした。
「思い出にとっておこうと思って」
「・・・あ?」
「兵長の精液と、桜の花弁。私にとって、今回の遠征の大切な収穫です」
その姿に、壁外で巨人に関するものなら何でも収集しようとするメガネの姿がダブって見えた。
「お前・・・本気でハンジに似てきたな」
「ありがとうございます!」
嬉しそうにしているサクラの顔を見て、ハァ・・・とため息を吐く。
「俺の精液なんて、しょっちゅう出してるもんだから何の価値もねぇと思うが」
「え・・・?」
明らかにショックを受けた顔で振り向いたサクラの頬をフニッとつねる。
「・・・バカ。セックスじゃなくて、自慰だ」
「じ・・・」
や、やっぱリヴァイ兵長もするんだ・・・
というより・・・そういうことって、あっけらかんと言えるものなのか?
男の人ってよくわからない。