【リヴァイ】Calmi Cuori Appassionati
第8章 Beneath A Gentle Shower ※
リヴァイは体を起こすと、覆い被さるようにしてサクラに口付けた。
安心しきったように受け入れるその姿に、
そういえば初めてキスしたのはいつだっただろうか、とふと思う。
いつの間にか彼女の存在が自分の中で大きくなっていたように、
彼女に口付けたいという気持ちは、無意識のうちに生まれるもの。
でも、今は無意識という域は遥かに超えている。
もっと・・・もっと、深く求めたい。
「・・・・・・・・・・・」
一呼吸置いたところでサクラの顎に手を添え、少しだけ大きく口を開かせた。
唇全体を吸いながら舌を差し込むと、おずおずとそれに応えるサクラがどうしようもなく愛しい。
波打ちながら、絡み合う舌。
甘い唾液。
濃厚な吐息。
身体の中心から込み上げてくる熱を抑えながら、首の角度を変えてさらに奥へと求める。
飲み込む暇も与えてもらえず、サクラの唇から流れようとした唾液すら舐め取った。
流石にもう限界がきたのか、サクラの体からすべての力が抜ける。
そうだ・・・
思い出した・・・・・・
初めてキスをした日のことを。
“もう・・・私には・・・兵士ではなく、女性として・・・捧げられるものは何も残っていない・・・”
傷だらけになって涙を流していたサクラを癒したいという気持ち。
そして、何があっても穢れない純粋さを持つ彼女への畏敬の念が、リヴァイを突き動かした。
「サクラ・・・」
顔にかかった前髪を撫で上げ、額にキスをする。
拒否してくれても構わない。
それはそれで、お前への想いを募らすだけだろう。
「お前が・・・女として守ってきたものを俺にくれないか」
サクラの瞳が大きく開く。
リヴァイは切なそうに見つめると、自分の唾液で濡れてしまった唇を指で拭ってやる。
そして、もう一度懇願した。
「“処女”を捧げて欲しい」
その途端、サクラの両目から涙が溢れた。