• テキストサイズ

【リヴァイ】Calmi Cuori Appassionati

第8章 Beneath A Gentle Shower ※



「俺の助けは必要なかったようだな」
こともなげに言う兵士長に、サクラは苦笑いをする。
「い、いちおう、調査兵ですから」
「調査兵の前にヒヨッコって付けとけ」
でも、そう言うリヴァイの口調は優しく、どこか嬉しそうだった。
きっとサクラの成長を喜んでいるのかもしれない。

初めて会った時は、まともにうなじも切り落とせない新米兵士だったのだから。

「この先は巨人に遭遇しても、ソイツが奇行種で無い限りは馬で走り続けるぞ」
「目的地は近いんですか?」
「いや、この草原をもう少しで抜けられるというだけだ。だが、その先は山だから巨人と遭遇しても立体機動を使える」
「わかりました」

リヴァイを信頼し、すべての決定を委ねる。
そのことに不安はまったくなかった。



草原を抜けるまで残り10キロ弱。
馬の脚では15分程度の距離だが、幸運にも巨人と戦わなければいけない場面は無かった。
一度だけ8メートル級が追いかけてきたが、全力疾走することで逃げ切ることができた。

だんだんと木が増えてくる。
道も少しずつだが傾斜がついてきた。

「一旦、止まるぞ」

リヴァイの支持でシェリーを止まらせ、その間に馬たちに水を与える。

「目的地は近いんですか?」
「・・・・・・・・・・・・」
リヴァイは地図を広げ、方位磁石で位置を確認した。
ここは登山道の入り口らしく、まばらに休憩宿らしき建物がたっている。

あれ・・・?
ここって・・・・・・

なんだろう、懐かしい。
デジャヴだろうか。

/ 781ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp