【リヴァイ】Calmi Cuori Appassionati
第8章 Beneath A Gentle Shower ※
それから3キロほど進んだところだろうか。
突然、リヴァイの横顔に緊張が走った。
「サクラ、気をつけろ」
ここは元牧場だったのだろう。
荒れ果てた牛舎が点在している。
「正面の小屋の陰に1体・・・向こうにさらに2体いる」
それぞれの位置関係からして、先ほどのように同時に倒すことは無理そうだ。
「小屋にいる方を片付けられるか?あの大きさからいって、屋根に登れば倒せない相手じゃない」
「無論です!」
敵はたかが3メートル級。
調査兵となってからというもの、鍛錬を欠かした日はない。
リヴァイには遠く及ばないにしても、足手まといにならないだけの力はあるはずだ。
「俺は向こうの2体を倒す。何かあったらすぐに呼べ、いいな?」
「はい!」
ここでリヴァイとは一旦別れ、サクラは巨人のいる牛小屋へとシェリーを走らせた。
それまで壁にもたれかかってあぐらをかいていた巨人がこちらに気づき、立ち上がろうとする。
その前にシェリーから飛び降り、立体機動装置を発動させて屋根に上がった。
「ここからならうなじを狙える」
しかし、巨人はサクラの真正面で向き合うように立っているため、首の後ろを容易に切りつけることができない。
そこで先ほどリヴァイがしたように、両目を潰すことから始めた。
2本の刃を交差させ、眉間から外に向かって切り開く。
熱い血液がサクラの顔をめがけて飛んできた。
一歩引いて、失明している巨人の脳天にアンカーを刺す。
ワイヤーを巻き取り巨人の頭上に立ってから、一気に後頭部から首の付け根までの肉をそぎ落とした。
やった、なんとかイメージ通りにいった!
息はあがってしまったが、巨人はサクラの後ろで息絶えている。
初めて一人で倒せた・・・
「やった・・・!」
リヴァイの方を見ると、すでに2体とも始末し終えていた。