【リヴァイ】Calmi Cuori Appassionati
第8章 Beneath A Gentle Shower ※
1体は6メートル級、もう1体は4メートル級。
いったいどう戦うのか・・・疑問に思った、その時。
リヴァイは先に後ろからやってきた6メートル級を躱すと、背後に周りこんだ。
そして、右足のアキレス腱を切り落とし、倒れたところでうなじを削ぐ。
ほんの一瞬で致命傷を与えられた6メートル級は、蒸気を上げながら消滅していった。
そのリヴァイを上から喰らいつこうとした4メートル級は、眉間に立体機動装置のアンカーを打ち込まれ、直後に両目とも潰される。
リヴァイは冷酷な目で悶絶する巨体を踏みつけると、うなじをひし形に深く抉った。
「ち・・・汚ぇな」
まったく息を上げる様子もなく、手についた返り血をハンカチで拭いているリヴァイを見て、サクラは全身に鳥肌がたった。
まるで・・・ハエを殺すかのごとく簡単に巨人2体を倒してしまった。
この人の強さはいったい・・・
「オイ、なにボーッとしてる。この蒸気を見て、さらに多くの巨人が集まってくるだろう。先を急ぐぞ」
「は、はい!」
訓練兵時代に座学で習った。
立体機動装置を使用して巨人と戦った際の戦果損害比率、つまりキルレシオは1:30だと・・・
これは、巨人1体を倒すため30人の人間が犠牲になるということ。
それを一人で・・・しかも2体同時に殺すとは・・・
強さが理解の域を超えている。
「行くぞ」
すでに馬に跨っているリヴァイがサクラに声をかけた。
「あと少しで草原を越える。それまではなるべく巨人との遭遇を避けたい」
「はい」
この人は、間違いなく人類の希望だ。
前を走るリヴァイの背中は、これ以上ないほど頼もしい。
ここが壁外だということを忘れてしまうほど、恐怖が消えて行った。