【リヴァイ】Calmi Cuori Appassionati
第8章 Beneath A Gentle Shower ※
街外れまであと半分という地点にきたところで、突然グンタが叫んだ。
「2時の方角に巨人がいるぞ!」
一瞬にして緊張が走る。
見ると、6メートル級が建物にぶつかりながらこちらに走ってくる。
「俺達が行きます」
後列の二人が馬から飛び降り、立体機動を操ってそばにあった商店の屋根に登る。
一人が巨人の目の前に飛び出て注意を引き、その隙にもう一人がうなじを切り落とした。
その間、わずか15秒。
「兵長、俺達はこのまま立体機動で移動して索敵を行います!」
「ああ、頼む」
市街地は建物に身を隠すことができるが、同時に巨人の発見が遅れることもある。
街道を馬で駆けるよりも、立体機動で上から見張っていた方がいい。
すごい連携だ・・・
さすが、調査兵団の中でも特に死線をくぐり抜けてきただけある。
ただ指示に従うのではなく、個々が最適と思われる判断をして行動に移すことができる。
リヴァイが信頼しているのが納得できた。
「兵長!25メートル先に巨人2体!援護願います!」
「グンタ、行け」
「了解」
グンタはすかさず馬を操ったまま飛び上がり、加勢に入った。
ワイヤーを長めに出して地面に近いところを移動し、両方の巨人のアキレス腱を瞬時にして切り落とす。
そして、間髪入れずに上の二人がトドメを刺した。
「すごい・・・」
リヴァイの出る幕などないじゃないか。
普段の壁外調査でも、ここまで進むのに少なからず犠牲は出る。
しかし、たったこれだけの人数で無事に街外れまでたどり着こうとは・・・
だんだんと民家がまばらになってきた。
いつの間にか道も舗装されていない砂利道が目立つようになっている。
そしてとうとう視界が開け、立体機動戦には向かない草原が広がった。
すると、先頭を走っていたリヴァイが馬を止める。