【リヴァイ】Calmi Cuori Appassionati
第8章 Beneath A Gentle Shower ※
窓の外から、鳥のさえずりが聞こえる。
その声に後押しされ、サクラはリヴァイへと顔を上げた。
「はい」
その返事を聞いた瞬間、エルヴィンが眉間にシワを寄せる。
ハンジは絶望したように目を閉じた。
「私はリヴァイ兵士長を信じ、この命を預けます」
サクラの言葉に、リヴァイは複雑な表情を見せ、瞳を揺らした。
「そうか・・・じゃあ、明日は俺についてくるんだな?」
「足手まといにならないよう、全力を尽くします」
もう迷いはない。
どれほど危険な遠征であっても、自分の信じる人について行こう。
そんな決意を秘めたサクラの瞳を見て、リヴァイはエルヴィンを振り返った。
「決まりだ。いいな、エルヴィン」
「・・・ああ、いいだろう」
椅子から立ち上がり、サクラに歩み寄ると手を取った。
「君の無事を祈っている」
「団長・・・」
ハンジもつらそうな顔でサクラを見ている。
しかし、もはや反対する意思はないようだった。
エルヴィンはサクラの手を離すと、今度はリヴァイと向き合った。
「わかってるな、リヴァイ。お前の“責任”がなんなのかを」
「・・・・・・・・・・・・」
頷くだけで返事をする。
エルヴィンに逆らってまで押し通した我儘だ。
この上、自分が背負った責任と運命まで投げ出すわけにはいかない。
それに・・・
リヴァイは横目でサクラを見た。
この大事な命は、何があっても絶対に守る。
その決意を感じ取ったのだろう。
エルヴィンはリヴァイとサクラに向かい、背筋を伸ばした。
「では、お前たちに特別壁外調査を命ずる。成功を祈る」
サクラは敬礼で、
リヴァイは頷くことで、
団長からの調査命令に応じた。