【リヴァイ】Calmi Cuori Appassionati
第8章 Beneath A Gentle Shower ※
「ブルーム! サクラ・ブルームはいるか!」
装備管理室にダリウスの声が響く。
立体機動装置のワイヤーを整備していたサクラは慌てて返事をした。
「はい!」
「エルヴィン団長がお呼びだ! 至急、執務室へ行くように!」
団長が・・・?
いったいなんだろう。
「分かったのか、ブルーム!」
「は、はい!」
仲間たちに“何かやらかしたんじゃないのか”と脅されながら、サクラは団長の執務室へ急いだ。
「ブルームです」
ドアをノックすると返事があり、中へ入る。
「団長、お呼びでしょうか」
「ああ。急にすまないね」
部屋の真正面に置いてある机にエルヴィンが座っていた。
右手にハンジが立っており、左の壁にそって置いてあるソファーにリヴァイが座っていた。
さらに窓際にはミケもいる。
調査兵団のトップが一同に介している光景にサクラは困惑した表情を見せた。
いったい・・・何のために呼ばれたのだろう・・・
「君を呼んだのは、明日、壁外調査に行ってもらいたいからだ」
「明日・・・?!そ、そんな急にですか?」
一瞬、自分の耳を疑った。
通常であれば壁外調査の日程は少なくとも1週間前に知らされる。
細かい作戦の内容を前日に言い渡されることはあるものの、こんなに急であることはない。
他の兵士は知っているのだろうか・・・
いや、兵舎の様子を見る限り、みんな知らないだろう。
「そこで、今回の遠征においてのみ、サクラ・ブルームを特別作戦班に配属する」
「と・・・特別作戦班って・・・」
特別作戦班・・・通称、リヴァイ班。
リヴァイが率いるそこには、精鋭が集まる調査兵団の中でも特に選ばれた、極少数の兵士しか所属することができない。