【リヴァイ】Calmi Cuori Appassionati
第8章 Beneath A Gentle Shower ※
「ならば聞くが、お前が死んだら誰が責任を取るんだ?」
「・・・・・・・・・・・・」
威圧的なエルヴィンを前に、リヴァイは黙り込んだ。
「いいか、リヴァイ。俺が王から託されている責任の中には、お前の命も含まれている」
二つの青い瞳がリヴァイを縛り付ける。
「調査兵団の活動方針を決めるだけの俺の代わりなど、いくらでもいる。だが、兵力としてのお前の代わりは、この世界のどこを探してもない。それこそ、あとは人間が巨人に変身する以外にはな」
「人間が巨人に変身・・・? そんなバカみてぇな話があるか」
「その通りだ。だから、俺はお前をやすやすと死なせるわけにはいかない」
リヴァイ。
残念だが、人類最強である以上、お前に死は許されない。
一個旅団相当の戦力を持つ人間を、調査兵団としては失うわけにはいかない。
たとえ、お前の意に反しても。
それが力を持つ者の運命であり、責任だ。
「・・・なあ、エルヴィン。俺は過去に自分の力を過信して、仲間を死に追いやった」
「・・・・・・・・・・・・」
「それを忘れた日はない。もしかしたら、あの時と同じ結果になるかもしれない」
「なのに、何故そこまで意地を張る?」
リヴァイはエルヴィンを静かに見つめた。
意地を張っているのではない。
腹を括ったんだ。
「お前の許可を得られなくても・・・その結果がどうなろうとも、行かせてもらう」
「リヴァイ!」
「悔いが残らない方を、自分で選ぶ」
今度は冷たい三白眼がエルヴィンを圧倒した。
「俺は、アイツに決めた」
その時・・・
リヴァイの目に、ゼラニウムを差し出す愛しい笑顔が映っていた。