【リヴァイ】Calmi Cuori Appassionati
第7章 Lavender
そうか・・・
ようやくわかった。
このクソみてぇな世界に耐えながら、誰を探していたのか。
その体を抱き寄せ、髪に顔を埋める。
「一つは、“真実の愛情”・・・・・・」
サクラの手もリヴァイの背中に回った。
筋肉に覆われた体、とても愛おしい。
「そして、もう一つの言葉は・・・」
サクラ。
俺はずっとお前を待っていたんだ。
「“君ありて幸福”」
慈愛に満ちた手と、鼓動。
温かくて、涙が出そうになる。
「リヴァイ兵長・・・私は、貴方がいて幸せです」
巨人の脅威に怯えながら生きる、この世界も悪くない。
そう思えるほどに。
どちらからともなく唇を寄せ合うと、互いの存在を確認するように深く口付ける。
こんなに鮮やかな色をしている。
こんなに優しい香りがする。
「サクラ・・・」
お前がいるから、この世界は美しい。
これを守るためなら、俺はなんでもしよう。
リヴァイはゼラニウムを受け取り、胸に誓った。
二人を包み込む、一面のラベンダー。
サクラが語らなかった、もう一つの花言葉。
“貴方を待っています”
その言葉の通り、千年という時を経ても優しい香りは消えないという。
どんな悲しみが二人を引き裂こうとも、愛する人と再び出会うその日まで・・・
この香りが道標となるだろう。
永遠に・・・
第7章 『 Lavender 』 Fin.