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【リヴァイ】Calmi Cuori Appassionati

第7章 Lavender





サクラの手がとても気持ち良く、体が宙に浮いているような感覚に陥る。
そして、ふと目を開けると景色が変わっていた。


幻覚か?

古城のような石造りの部屋・・・
談話室だろうか、長テーブルと椅子がたくさん置いていある。



リヴァイはその一つに座っていた。
いや、座っているリヴァイをもう一人の自分が見下ろしている、と言った方が正しいか。

同じテーブルの一番離れた場所に、15歳くらいの見知らぬ少年が座っていた。
調査兵団の制服を着ているが新兵だろうか・・・肩を落として俯いている。

突然、少年は力なく笑った。


「兵長・・・今日は・・・よく喋りますね」


少し声が震えている。


「バカ言え。俺は元々結構喋る・・・」


座っている自分は左脚を痛めているのか、時折顔を歪めながらさすっていた。
それを見下ろしているリヴァイの左脚には、優しい手の感触が残っているというのに・・・



「・・・すいません」

少年が今にも泣き出しそうな顔で呟いた。


「オレが・・・あの時・・・選択を間違えなければこんなことに・・・兵長にケガまで・・・」


その言葉に、何かに堪えるような表情を見せる自分。
他人は気づかないほどの小さな変化だ。

何故か、得体の知れない恐怖と怒りを感じた。


これは夢か?
幻覚か?

やけにはっきりとしている。


「言っただろうが。結果は誰にもわからんと」


結果は・・・誰にもわからない・・・
その言葉を思い出したのは、リヴァイが調査兵として生きていくと決めた日以来だった。




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