【リヴァイ】Calmi Cuori Appassionati
第7章 Lavender
「兵長の動きを目に焼き付けて、自分も同じ動きができるように練習したいんです」
「お前は今でも人並み以上に動けてる」
「俺なんてまだまだっす!兵長に選ばれてリヴァイ班に入るまでは、ずっとヒヨッコですから」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
オルオは真剣な顔をしていた。
本当に強くなりたいのだろう。
リヴァイはタオルで上半身の汗を拭き取ると、ため息を吐いた。
「勝手にしろ。でも、稽古はつけてやらんからな。俺はそういうのに向いてない」
「ありがとうございます!」
まあ・・・いいだろう。
こいつにはそれなりに期待している。
リヴァイがそう思った時だった。
「あの、兵長」
「なんだ」
「そのタオル、もらっていいっすか?」
「そこまで気を使うな。洗濯場には自分で持ってく」
「いや、兵長が汗を拭いたタオルが欲しいんすよ。あ、そのシャツでもいいっす!飾っときたいんで」
「・・・・・・お前、やっぱりもう来るな。変態野郎め」
「えええ!!!」
まだこいつを自分の班に入れるには早い。
変態かどうかは別としてだ。
ガックリと肩を落としているオルオを横目で見る。
だが・・・
人類の運命を左右する、本当に重要な任務を遂行しなければならない日がきたら、この男の力が必要となるだろう。
「俺に指名してもらえるよう、せいぜい鍛錬に励むんだな」
持っていたタオルを手渡すと、オルオは嬉しそうに顔を輝かせる。
「頑張ります!俺、絶対に兵長みたいになりますから!」
タオルを大事そうに両手で抱え、鍛錬場を後にするリヴァイの背に頭を下げた。