【リヴァイ】Calmi Cuori Appassionati
第6章 Untainted, Unbroken ※
「だから、お前はブルームに惹かれているのだろう?」
彼女は危うさを秘めている。
例えるなら・・・そう、鷲の目と心を持った小鳥だろう。
産毛に覆われた小さな体で、誰もが恐怖して目を逸らす太陽を見つめる。
自由へ強い憧れを持ち、そのためなら誰もが恐れる死を厭わない。
もしこの世界に“神”が存在するならば、もっとも近く、もっとも愛されている人間だろう。
リヴァイが圧倒するのも無理はない。
やはり彼女ならば、きっと・・・
「・・・不思議だな、エルヴィン」
リヴァイは窓の外を見つめながら、ポツリとつぶやいた。
「お前に都の地下街から引きずり出されて随分たつが・・・」
この手に包まれた小鳥の微笑みを思い出し、眩しそうに目を細める。
「時折アイツがまとう光は、俺には強すぎるようだ」
「そうか・・・」
エルヴィンも、リヴァイも、それ以上は何も言わなかった。