【リヴァイ】Calmi Cuori Appassionati
第6章 Untainted, Unbroken ※
エルヴィン達と別れ、男子棟にやってきたリヴァイは静かに辺りを見渡した。
4時前ということもあり、誰もいない。
サクラの同期たちの部屋は、男子棟の2階になるか。
リヴァイは2階に上がると、屈んで手のひらでザッと床を撫でた。
中庭で行為に及んだのだから、靴の裏についた土や草が落ちているはず。
案の定、ドアの前に乾いた草が他よりも多く落ちている部屋があった。
ここか。
リヴァイはハンカチで手を拭くと、遠慮なしにドアノブを回した。
中に入ると、左側の壁に2段ベッドが置いてあり、右側の壁に2人のジャケットがかけてある。
片方は犯人の、そしてもう片方は相部屋の兵士のものだろう。
犯行の痕跡を探すため、ジャケットを確認するまでもなかった。
2段ベッドの下段に寝ている男から、むせかえるほどアルコールの匂いがする。
「起きろ」
リヴァイは部屋に明かりを灯すと、いびきをかいている男の喉元を掴んでベッドから引きずり出した。
「なっ・・・!」
突然眠りを妨げられ、目を白黒させながら侵入者を見上げている。
「てめぇ・・・アルバート・ストラングラーだな?」
「リ、リヴァイ兵長?!」
ただ事ではない物音と声でもう一人の兵士も起きる。
そして、リヴァイの姿に気づいて慌てて降りてこようとしたのを手で制止した。
「聞きたいことがある」
「ガッ・・・」
右手で首を締められ、アルバートは苦痛のあまり声を漏らした。
「オイ、ちゃんと自分の足で立て。腕が疲れるだろ」
「は・・・はい・・・」
リヴァイは横目で、床に脱ぎ捨ててあるアルバートのものと思われる靴を見た。
土や草と一緒に、乾いた精液らしきものも確認できる。