【リヴァイ】Calmi Cuori Appassionati
第6章 Untainted, Unbroken ※
無理について行ったとしても、足手まといになるだけ。
わかっていても、やはり悔しい・・・
壁の外に出るのは怖いけれど、
やはりここにはない“何か”を感じることができる。
それに、そこに行くことは調査兵として当たり前のことであり、義務だ。
「本当に・・・申し訳ありません・・・」
「何を謝る必要がある?君は私の命令に従ってくれただけなのに」
エルヴィンは優しく言った。
ふと、腕を組んで壁に寄りかかっているリヴァイが視界に入る。
先ほどから一言も話さず、サクラから目を逸らしたまま。
その姿に、いたたまれなくなった。
きっと失望させてしまったに違いない。
壁外調査の直前にこんな迷惑をかけてしまったのだから・・・
「だいじょうぶだよ、サクラ!ちゃんと巨人を捕まえてくるから!」
励ますためか、ハンジが明るい声を出した。
「分隊長・・・」
「だから今はゆっくり寝て。そして、次の壁外調査では捕獲の補佐をしてもらうからね」
「はい・・・必ず」
部屋から出て行くエルヴィンとハンジの背中をぼんやりと見つめる。
そして、最後に出て行ったリヴァイの背中に、涙で視界が滲んだ。
「うぅ・・・」
サクラはドアが閉まるのを確認してから、枕に顔をうずめて声を上げずに泣いた。