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【リヴァイ】Calmi Cuori Appassionati

第2章 Light Behind the Clouds


7時30分。
新兵が講堂に整列していると、エルヴィンと数名の調査兵団の精鋭が入ってきた。
その中には、リヴァイの姿もあった。

新兵達に緊張が走る。

「少ないな」

ざっと列を見たエルヴィンがつぶやいた。
慌てて側近のダリウス・ベーア=ヴァルブルンが人数を確認する。

「39名・・・4人ほどいません」
「遅刻とは思えん。始めよう」
「良いのですか?」
「編隊に支障はない。万が一、問題があった場合はその時に考えればいい」
淡々と話すエルヴィンに、サクラは胸が昂ぶった。

やはり、この人はすごい。
命を賭すことに恐怖した新兵が逃げ出すことなど、想定の範囲内だったというのか。
それを咎めず、その場の状況下で可能な限りの戦略を練ることができる人。

「・・・・・・・・・」

サクラは、エルヴィンの後ろで壁に寄りかかる、小柄な兵士長に視線を移した。
やはり、今日もつまらなそうに舌打ちをしている。

自分達の中で誰がこの人の下に配属されるのだろう。
リヴァイの班は最強と言っても過言ではない。
それ故、戦場では前線部隊を任されることもあれば、特に配置を決められず遊撃部隊として自由に動く場合もある。
また、重要で困難な作戦を遂行することもある。

リヴァイ班においては、“弱者”がいてはならない。
彼らこそ、人類の最強かつ、最後の砦となる部隊なのだから。

「では、これより各自が配属となる班を発表する。名前を呼ばれた者は、一歩前へ出るように!」

ダリウスが叫んだ。

「では、ミケ・ザカリアス分隊長以下、第一分隊所属の者を発表する」

リヴァイに次ぐ実力者で、古参の調査兵。
エルヴィンからの信頼も厚いと聞く。

この人の班に入ることができれば、主力部隊となれる。

しかし、サクラの名前は呼ばれなかった。
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