第2章 侵入者
ホルマジオは首を傾げる。
「けどよ、なーんでそんな神聖な場所で人殺してまで、ガキ共を狙ったんだ?いかにも罰が当たりだぜ」
確かに、そんな公の場で人攫いなんて、普通は考えられない。
何なら、身元不明の孤児がたむろっていそうな裏路地で狙った方がリスクが低い。
それなのに、暗殺してまで奪い攫ったということは…
「修道院で保護されるってことァ、そんなにすげえ額がつく特殊なガキってことか?神様の洗礼を受けたビンテージ物とか。なんてな」
ホルマジオは半分冗談で口にするが、するとリゾットが、しんみりと答える。
「……確かに、“それらの特性”が神からの授かり物だとすれば、皮肉な不運かもしれないな」
「?」
そして、今に至る。
(ハァ。車ごと拉致ったのは良いが、ビビって奥に詰めているせいで、見えねえじゃあねぇか?)
よいしょ
ホルマジオもまたコンテナの中に入り込むと、逆に子供は奥へと詰め寄る。
まるで、解体場に連れてこられた家畜のごとく、外に出ようとしない。
(ま、無理もねぇな)
身内を殺されて、誘拐犯に拉致られたと思いきや、今度は別の怖そうな大人たちに連れ去られたんだ。
それも、殺しを生業とする闇の世界の人間のな。
ホルマジオはそんな自意識を持ちながらも、飴をあげるように優〜しく声をかける。
「お〜い。おじさんたちは何もお前らを取って食ったりしねえよ。そろそろ朝日を浴びて、清々しい1日の始まりを迎えようじゃあねえか?」
それも、終わりの始まりかもしれねえがな。
しかし子供たちの警戒は解けない。
ざっと見たところ、10人くらいはいた。
通夜のように雰囲気も暗い。実際そうなのだが。