第2章 侵入者
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(ハァ。生きたガキ相手の、しかもお守りなんざ異例だぜ。今回の任務はよォ)
ホルマジオのスタンド『リトル・フィート』であれば、対象物を小さくすることができる。
大人の死体だろうと車の大きさだろうと、運ぶのはいとも容易い。
しかし、小さくするには、『リトル・フィート』の刃型の爪で傷つける必要がある。
今回の任務はあくまで誘拐犯の暗殺で、子供はあくまで、ターゲットをおびき寄せるための餌だ。
無闇に傷つけたり、痛い目に遭わせることは任務上、許可されていない。
そしてホルマジオ自身、子供を痛めつける趣味はないため、気が進まなかった。
(ハァ。しょ〜がねえな〜)
ホルマジオは自身のスキンヘッドを撫でる。
「無理矢理にでも下ろすことは出来んだぜ。でもな、これはお前らのためでもあるんだ。自分の足で歩くかどうか、てめーらで決めな」
「……」
すると観念したのか、一人目が降りてきた。
太陽の光がその姿を照らす。
「!」
ホルマジオはメローネの言葉の意味を理解した。
(コイツらは…)
左目は青で右目は茶色のオッドアイ。
次の子は髪も肌も瞳も白い。
赤い髪の少年。
イタリア人ではない異国出身。
どれも見た目は普通ではない子ばかり。
この少年少女が、人身売買グループが大事件を起こしてまで欲しがる商品だ。
ようやくお天道様の下で、その姿を確認できた。
ざっと見て男女半々。全員10歳くらいの歳だ。
ギアッチョもトラックから降りると、運転席にあった子供のリストを持ってきた。
「悪趣味な見積書だぜ」
プロシュートは受け取り、一通り目を通してから、ホルマジオにパスする。
「通りで奴らが喉から手が出るほど欲しがるわけだ」
ホルマジオも見ると、白髪の子供の写真が目に飛び込んだ。その下にはこう綴られていた。
『少女
特長:アルビノ体質
価格見込:10億リラ』
「じゅッ…じゅ、10億リラッ!?」
あまりの衝撃的な数値に、リストを落とす。日本円で、5000万円ほどの大金だ。
※アルビノとは、遺伝子の異常により発現する個体の一種。
白い肌に白い髪が特徴。その美しさから、昔から神聖な力を持つと畏怖されてきた。
その者の体の一部を持つと、神秘的なパワーが手に入るなどのデマにより、誘拐や殺害される事件も少なくない。