第2章 侵入者
「小さい時、行ったことあるぜ俺。マジかよ…」
イルーゾォはたまげた。
「で、殺したのは誰だ?」
プロシュートは冷静にメローネに聞いた。
「“組織”(パッショーネ)の人間からの情報だと、人身売買を目論む誘拐犯らしい。修道院にいる子供を誘拐するためにやっただろうと」
「ガキだと?」
パッショーネの組織は人数が多いかつ優秀なため、情報の伝達は警察より速い。
「メールによると、修道院関係者の者たちが、行き場の失った子供を秘密裏に保護していたらしい。それが外部に露見して、金に目が眩んだ奴らが侵入。そして暗殺したと」
「つまり、暗殺した奴らの暗殺をしろと?マトリョーシカかよ」
イルーゾォは軽く笑いながら言う。
パッショーネがそう判断したのは、ある理由があった。
外国にも轟かせるほどの大事件を起こしたから。
よりによって、世界文化遺産が殺人現場となっては、イタリア国自体が打撃を受けたのも同然。
観光業が下落するどころか、卸売業や運輸や物流にも影響を及ぼしかねない。
じきにメディア関係者によって大々的に報道され、翌朝には新聞の表紙になっているだろう。
その落とし前は、自分たちの利益しか考えない利己的なグループの死で償ってもらうというわけだ。
犯人は子供たちをトラックに積んで、ヴェネチアの船着場に向け逃走している。
そこで密輸される前に、誘拐犯を1人残らず抹殺するのが今回の任務だ。
作戦は、まずホルマジオとギアッチョが一足先にそのトラックの奴らを抹殺し、子供ごとトラックを確保する。
メールに添付されてあった発信機でトラックの居場所がわかる。
奪ったトラックはどこか別の場所へとめて、そこでリゾット、プロシュート、イルーゾォと合流する。
港に待機している残りの誘拐犯を、子供を使っておびき寄せて殺す。
メローネはもしものために、アジトで待機。必要な時は、スタンド“ベビィ・フェイス”で援護を。
以上だ。