第3章 お前は誰だ?
「あ…!」
後から来たホルマジオも、その時のことを思い出した。
確かに、おかしな話だ。瞬間移動が出来るのに、リゾットの目の前で姿を現すなんて。
今回の動乱、全てはあの時から始まったのだ。
もしあの時、リゾットの目の前に姿を現さず、最後の子供であるアルビノの子を連れ出していたら、誰も気づかなかったはず。
なのに、姿を現してしまった。
「んで、コイツがアンタの目の前に現れたのには、何か理由があったってわけか?」
ホルマジオはリゾットに聞いた。
「ああ。理由というより原因だ。単刀直入に言おう。俺のスタンドの『メタリカ』が、この子供のスタンド能力を
・・・・・
打ち消した。そう、考えるのが妥当だろう」
『!!』
皆が驚く中、プロシュートだけは納得したような表情を浮かべていた。
電子機器と関係しているのであれば、リゾットの磁力を操る能力と、何か因果関係があるのだと、薄々気付いていたから。
(だから、5階で電気ショックを受けてのびていたイルーゾォを磁力操作して治療することもできた。そして、高周波で動けなくなった俺たちを、動けるようできたんた)
ホルマジオは驚きから、ハハッと笑い声を出した。
「なるほどな。5階から電波を通って瞬間移動するはずが、アンタのそばを通ったが故に、能力が解除されて、動きが止まった。コイツは相当焦っただろうな」
未だに眠っているガキを指差した。
「……その後、この子供は隠し持っていた銃を使って、ホルマジオと俺に対して反撃に出た。それで思い出した」
リゾットは子供が持っていた銃をあらかじめ奪っておいて、手元にあった。
懐から出してみた。
「撃ったのは、すぐそこまで接近していたホルマジオではなく、
・・・・・・・・・・
姿を隠して遠くにいた俺の方だった。これも、おかしな話じゃあないか?」
「あ、確かにな。何でガキはあの時、リゾット、アンタの場所が分かったんだ?」