第3章 お前は誰だ?
正直、今にでもこの子供を氷漬けにして痛い目を合わせたい。
もし口を割らせることができなければ、リーダーであるリゾットがパッショーネに処罰を下されるかもしれない。
それだけは避けなくてはならない。
(クソッ!リゾットが命令しなきゃ、おねんね続けれ等れるくらいに、丁寧に拘束なんてしねーんだよ…!)
イルーゾォが口を開いた。
「なぁリゾット。そういや、俺が気絶していた時、起こしてくれたよな?それってよォ……」
「……ああ。俺のその推測から確証を得るために、ちょっと
・・・・・・・・・
試したいことがある」
リゾットは懐から白い布を取り出す。
さっき使ったクロロホルムが染み込んだものとは違った。鉢巻きのように細くて長い布だった。
それを眠ったままの子供の目元にゆっくりと巻きつけ、目隠しを施す。
「リゾット。何をする気だ…?」
リゾットはとても狡猾な人物で、リーダーとしての素質が十分にある。
一つ一つの行動に必ず意味がある。皆はそれを思って、その行動をなぞるように眺める。
「イルーゾォ。『マン・イン・ザ・ミラー』で、この子供のスタンドをこちら側に入るのを許可しろ」
『!!??』
何を言っているんだ。このリーダーは?
「り、リゾット、もう一度聞いていいか?大切なことは何度でも聞いていいよなァ?」
ホルマジオはしぶしぶ聞いた。
「……この子供のスタンドをこちら側の世界に引きずり込めと、イルーゾォに言ったんだ。本体がここにいるなら、できるはずだ」
リゾットはリーダーであるから、チームの能力を把握している。
イルーゾォには何が出来るのか分かっていた。